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2025.11.27
株式会社誠晃舎のデザイナーとして思う 「年賀状じまい」
アートディレクター
デザイナーK
紙の文化に深く関わってきた私たち誠晃舎にとって、年賀状は長く“新しい一年の始まりをデザインする特別な媒体”でした。
小さなはがきの中に「贈る相手への気持ち」を込める——それは私たちデザイナーにとって、何より大切にしてきた仕事のひとつです。
近年は、生活様式やコミュニケーション手段が多様化し、「年賀状じまい」を選ばれる個人・企業が増えています。これは、時代の流れとしてごく自然なことだと感じています。
私自身も入社以来、当社の年賀状の多くを担当してきました。細かな記憶は薄れているものの、デザインにおいて特に配慮してきたのは、干支や流行のスタイルではありません。
当社の創業者の精神や、お客様にお伝えしたい想いを、年に一度のカードに託すこと。
その姿勢だけは一貫してぶれることがありませんでした。
なかでも印象に残っているのが、2016年の申年のデザインです(アイキャッチに一部を再現しました)。
少し風変わりな当社の気質と、ユーモアあふれる創業者の勢いを表現できたと自負しています。
私たち誠晃舎は、紙であれデジタルであれ、“気持ちをデザインにのせて届ける”という文化はこれからも確かに残ると考えています。
年賀状じまいは、決して「終わり」ではなく、新しいコミュニケーションのかたちへ静かに移行していく過程にすぎません。
その変化の中でも、私たちはこれからも最良の表現を模索し、お客様に寄り添ったデザインをお届けしてまいります。