BLOG

2024.05.02

Fireflyでfireflyを生成してみた

最近、Adobe CC(アドビクリエイティブクラウド)製品が値上げされました。
結構な値上率で、あまり嬉しくない話ですね。私たちの場合は更新時期がまだちょっと先なのですが、いくらになるのか心配です。値上げの理由のひとつに「生成AI機能の追加など、機能強化による付加価値向上」があげられています。その「生成AI」の中核「Adobe Firefly」、値上げに似合った性能なのか、ちょっとだけ試してみました。

そもそも“firefly”とは、英和辞書で調べてみると“ホタル”と出ています。ホタルで私がすぐに思い浮かべたのは、“ホタルが飛び交う幻想的な夜の森”のイメージ。これを目標に生成させてみます。
実際に仕事で仕事で使うことを想定すると、例えばホタル鑑賞のイベントのポスターやフライヤーに使う、というような用途が考えられますね。

まずはウォームアップとして、プロンプトに単純にワン・ワードで“firefly”と入力。様々な設定はとりあえずデフォルトのままです。「プロンプトが短すぎる」というような注意が出ますが、とりあえずそのまま[生成]ボタンをクリック。すると私の想像するホタルとは違う昆虫が現れました。ちょっと気持ち悪いヤツです。念のためfireflyを“英英”辞書で調べると、光る昆虫一般を意味するようなので、日本で見られるゲンジボタルやヘイケボタルと違うのは仕方がないのかもしれません。

では本題の「ホタルが飛び交う幻想的な夜の森」をこのまま日本語でプロンプトとして入力、絞り込みの項目の中の[コンテンツタイプ]の[写真]か[アート]の選択は[写真]にして生成。その最初の一枚がこのブログのトップの画像です。アドビがアピールしている「著作権侵害の恐れがないコンテンツだけをAIの学習に用いる」とうことからくる安心感、Adobe CCを契約していればすぐに利用できることを考慮に入れると、あまり高望みはできないかもしれませんが、個人的には60点くらいの満足度でしょうか。暗い森に丸い光のぼかしを点々と合成しただけ、みたいなのが不満ですね。

ここでストックフォトサービス、例えばアドビなら「Adobe Stock」で検索したものと比べるとどうなのだろうという疑問が湧いてきてました。文章の状態で検索するとキッパリと「該当する検索結果はありません。」という結果だったので「ホタル 幻想的 夜 森」とスペースを入れて区切り、また[写真][AI 生成画像を除外]にチェックを入れて検索、その結果の最初に出てきたのがトップ画像に挿入した小さな方です。おそらく、Adobe Stock内の画像もAIの学習の対象なのでしょう、結構雰囲気は似ていますね。Fireflyで生成したものは(当たり前ですが)作りものっぽい感じがするので、あくまでカメラで撮った味みたいなのが好みの場合もあると思います。

さて主旨である「Adobe Fireflyの実力」ですが、私自身まだAIを使いこなせていないので、結論めいたものを出すのはまだはばかられます。本当に仕事で使うのであれば、納得できる結果が得られるまでプロンプトを工夫する必要がありますね。コツみたいなのもあるようです。また、これはあくまでAdobe Fireflyだけの話なので、対象が画像生成AI全般、となるとまた評価が違ってくると思われます。

わたしはAI(人工知能)が「絵を描く」という、人間の根源的な創作の領域に迫ってきたことになんとなく不安を感じていました。しかし技術の進歩で新しい表現が生み出されてきたのも事実です。およそ200年前の写真、150年前の映画だって表現の拡張の例です。AIの利用については、いろいろ議論の最中ですが、正しく使いつつ共存の仕方を探る、という状況がしばらく続くのではないでしょうか。

お問い合わせはこちら

CONTACT