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2025.10.01
スケートがつないだカルチャー ─ デッキから広がる音楽・ファッション・アート
フォトディレクター
レタッチャーY
私が青春時代に最も影響を受けたのは、スケートカルチャーでした。
その中でも、特に心を奪われたのがパウエル・ペラルタです。
彼らのグラフィックは、ただのスケートボードのデザインではありません。
自分自身のスタイルや生き方を映し出す、象徴のような存在でした。
代表作「Ripper」や「Skull & Sword」のスカルモチーフは、10代の私にとって「自由と反骨」を体現するビジュアル。
見るたびに胸が熱くなったのを覚えています。
今ではスケートもオリンピック競技として認知され、スポーツの印象が強くなりました。
ですが、私が若かった頃のスケートは、ちょっと不良めいたストリートカルチャーそのものでした。
街には若者たちのエネルギーがあふれ、ひとつの大きなカルチャーを作り上げていたのです。
私自身もその渦に引き込まれ、スケートは生活の一部になりました。
とくにスケートのPVから受けた影響は大きかった。
映像の中に流れる音楽は、私のプレイリストを一変させました。
ストリートのファッションは、毎日のスタイルに自然と取り入れられました。
そしてアート的な映像編集は、「映像表現そのものの面白さ」を教えてくれたのです。
スケートはデッキの上だけの体験にとどまりません。
アート、ファッション、音楽──あらゆるカルチャーに広がり、私の感性を一気に開かせてくれました。
デザインの視点でも、パウエル・ペラルタのアートワークは圧倒的です。
アーティストVCJの緻密なライン、そして大胆な構図は、単なるプロダクトデザインの枠を超え、まるでポスターやアート作品のような完成度を誇ります。
時代を超えて愛されるそのグラフィックには、単なる流行ではない「普遍性」と「カルチャーの力」が宿っていると、私は感じています。