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2026.06.30

デザイン

白黒になったお菓子のパッケージから考える、デザインの本当の価値

中東情勢の影響を受け、原油価格高騰や物流の混乱により、プラスチック原料のもととなるナフサの供給不足が話題となりました。その影響は私たちの身近な商品にも及び、一部の大手お菓子メーカーでは包装資材の調達が難しくなり、通常のカラー印刷ではなく白黒パッケージで商品を販売した事例も出てきました。
デザイナーの視点から見ても、この出来事は非常に興味深いものでした。普段、パッケージデザインは商品の魅力を伝えるために多くの色彩を活用(全てではありませんが)しています。売り場では、鮮やかな色や特徴的なデザインによって消費者の目を引き、商品の個性を表現しています。しかし、白黒パッケージになった瞬間、私たちは改めて「デザインとは何か」という本質的な問いに向き合うことになります。
色が使えない状況では、情報の整理やレイアウト、ロゴの視認性、文字の読みやすさといった基本設計の重要性が一気に高まります。つまり、装飾ではなく「伝える力」そのものが試されるのです。実際、白黒パッケージであっても、多くの商品は問題なく店頭で認識され、消費者も商品を購入するでしょう。これはブランドが長年積み重ねてきた信頼や、ロゴや形状など色以外のデザイン資産が十分に機能していたことを示します。
また、この出来事はサステナブルデザイン(「持続可能な社会」を実現するためのデザインのあり方)について考えるきっかけにもなりました。これまでパッケージは「より目立つこと」が重視される傾向がありましたが、資源不足や環境問題が深刻化する中で、「必要最小限で伝える」デザインの価値が高まっています。限られた資源で最大限の情報を伝える工夫こそ、これからのデザインに求められる役割なのかもしれません。
白黒パッケージは一見すると地味で、企業にとっては苦肉の策だったかもしれません。しかし、その姿はデザインが単なる装飾ではなく、社会課題や供給環境の変化に対応するための重要なコミュニケーション手段であることを私たちに教えてくれました。
デザインの力とは、美しく見せることだけではありません。制約の中でも情報を伝え、人と商品をつなぎ、社会の変化に柔軟に対応することです。白黒パッケージは、その本質を改めて示した象徴的な事例だったと感じています。
ただ、最後に本音を言えば白黒パッケージのお菓子、やはり購入意欲は薄れました・・・が。

アートディレクター・デザイナーK

「isgood」は新潟に拠点を置くデザイン会社「株式会社誠晃舎」のグラフィックデザインチームです。ブランディング、チラシ、カタログ、パッケージ、ポスター、ロゴ、製品デザイン、ブースデザイン、ホームページ製作、写真・動画撮影など総合的に行っています。

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