BLOG

2026.09.01

デザイン

一目で伝わる世界観。草間彌生の「水玉」から学ぶ、普遍的なデザインの価値

新潟のグラフィックデザインチーム「is good」のYです。

2026年8月、美術家の草間彌生さんが97歳で逝去されたというニュースが届きました。 長年にわたり、絵画、彫刻、インスタレーション、パフォーマンスなど、多岐にわたる表現を通して世界に作品を届け続けた草間さん。亡くなる直前まで筆を置かなかったといいます。

草間彌生という名前を聞いて、まず「水玉」を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。

一面に広がるドット。 繰り返される網目。 鏡によって無限に広がっていく空間。 そして、鮮やかな色彩をまとった「かぼちゃ」。

私自身が草間さんの作品に初めて興味を持ったきっかけも、このかぼちゃでした。 かぼちゃ特有のフォルムに施された、黄色と黒の力強いドットパターン。なぜか強く惹きつけられ、そこから作品や彼女の背景を調べ、さまざまなオブジェや絵画を観に行くようになりました。

そして「どうしても本物を見たい」という思いから15年以上前に足を運んだのが、瀬戸内海の直島に常設されている黄色いかぼちゃの作品です。

実際に直島を訪れ、海を背景に佇むその姿を目の前にしたとき、写真で見ていたものとはまた違う感覚に包まれました。

作品は遠目からでもすぐに見つけられます。 鮮やかな黄色と黒の水玉模様。大きなかぼちゃが放つ強い存在感。 そして、穏やかな海と空、島の自然風景の中に突如として現れる、圧倒的に人工的な色と形。 その場所に立ったとき、日常から切り離されたような不思議な感覚と、作品自体が放つオーラにとても感動したことを今でも覚えています。

また、草間さんの表現は純粋美術の枠を超え、商業デザインの世界でも大きな影響を与えました。高級ブランド「ルイ・ヴィトン」とのコラボレーションはその象徴です。前衛アートに馴染みのない人々にも、ブランドを通してその世界観が行き渡っていく様子は、表現の可能性を示すものとして非常に興味深い現象でした。

水玉や網目、かぼちゃといった何度も繰り返されるモチーフは、単なる「草間彌生らしいデザイン」という言葉だけでは片付けられません。ひとつの表現を突き詰め、繰り返し、増殖させることで生まれた、唯一無二の世界観です。

世界中の誰が見ても、ひと目で「草間彌生だ」と分かる。 これほどまでに強い個性と信念を持った表現を作り上げた姿勢は、デザインに携わる私たちにとっても、とても大きな刺激です。

ひとつの時代が終わりを迎えたような寂しさを感じずにはいられませんが、彼女が残した圧倒的な表現と情熱は、これからも多くのクリエイターにインスピレーションを与え続けるのだと思います。

アートディレクター・デザイナーY

「isgood」は新潟に拠点を置くデザイン会社「株式会社誠晃舎」のグラフィックデザインチームです。ブランディング、チラシ、カタログ、パッケージ、ポスター、ロゴ、製品デザイン、ブースデザイン、ホームページ製作、写真・動画撮影など総合的に行っています。

お問い合わせはこちら

CONTACT